<<目次へ 【声 明】自由法曹団


声明『戦争法の国会提出に厳重に抗議する』

政府は、去る3月9日、有事関連7法案・3案件を閣議決定し、国会に提出した。有事関連7法案・3案件は、昨年成立した有事法制の具体化をはかるものであって、わが国を「いつでも戦争に突入できる国」につくりかえ、戦時体制を構築することを狙いとする「戦争法」に他ならない。
政府は、圧倒的多数の反対世論を無視して、自衛隊をイラクに派兵し、アメリカの侵略戦争に、日々、加担し続けているが、政府は、この侵略加担の最中に、わが国の戦争法制を完成させようとしている。われわれは、戦争反対の世論を冒涜する政府の暴挙に厳重に抗議するものである。
 「国民動員法制」「米軍支援法制」「臨検法制」「交通通信管制法制」「交戦法制」をその内容とする戦争法(有事関連7法案・3案件)は、国民動員法制を「大規模テロ等」に拡大するとともに、米軍支援法における「行動対処措置」よって「米軍の作戦」に対する無限定の協力を自治体・事業者に要求するなど、昨年の有事三法を強行した後の「イラク派兵」等の事態に対応した戦争法制のいっそうの拡大である。
 しかもA4版でおよそ1000頁に及ぶ法案を、一括して提出し、3ヶ月という短期で強行しようとすること自体が暴挙と言わざるをえない。
 これらの法案等が成立するならば、米軍には思いのままに戦争を遂行する地位を保障し、自衛隊がこれを人と物でバックアップするという、戦時体制が整うことになる。かかる事態は、戦争の放棄、交戦権の否認を定めた憲法9条を真っ向から蹂躙するものである。
国民の公共財である、港湾・空港、道路、電波などを戦争の遂行のために占拠し、国民の基本的人権を踏みにじり、日本社会全体を戦争体制へと突入させることを目的とする「戦争法」の成立を自由法曹団は許すわけにはいかない。
われわれ自由法曹団は、第159通常国会において、この戦争法の成立を許さないたたかいに全力で取り組むことを決意し、平和を願う多くの人々が力を合わせたたかいに立ち上がることを心から訴えるものである。

2004年3月13日

自由法曹団常任幹事会