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自由法曹団 ピース・キャンドル・ナイト
二・五防衛庁包囲行動へのご協力・ご参加の御礼
森  信雄 浮上してきた定期借家制度の見直し
船尾  徹 「構造改革」とのたたかいを地域から
地域の自治体労働運動への参加を
笹本  潤 ソウル街頭宣伝と東京支部の韓国平和ツアー参加のお誘い
萩尾 健太 アフガニスタンでの大虐殺ーアフガニスタン国際戦犯民衆法廷で明らかになったもの
菅野 昭夫 愛国者法(九月一一日事件後のアメリカ合衆国における治安立法、治安政策)(4)
永尾 廣久 新春の事務所ニュースを読んで(寸評)
坂 勇一郎 「合意案」による敗訴者負担の導入に反対する国会内集会のご案内




ピース・キャンドル・ナイト

二・五防衛庁包囲行動へのご協力・ご参加の御礼

2・5防衛庁を平和の灯火で包囲する実行委員会
自 由 法 曹 団

 二月五日の「防衛庁を平和の灯火(ひ)で包囲する行動」(ピース・キャンドル・ナイト)は、東京・近県・全国から一万人に参加いただき、大きな成功をおさめました。
 午後六時三〇分には多くの方々が明治公園に集まり、公園は灯火で包まれました。キャンドルパレードでは、公明党本部のある信濃町から市ヶ谷の防衛庁まで、平和の灯火が連なりました。光や声に託した平和への想いが多くの人々にとどいたと確信します。
 一月八日に実行委員会を立ち上げてから一か月足らず、あわただしく準備を続けてきた行動でした。手づくりの企画でもあり不十分な点が多々あったにもかかわらず、予想を超える参加を得て集会・パレードを成功させることができたのは、スタッフの努力もさることながら、ご参加いただいた団体・個人の皆さんのご協力によるものです。
 ピース・キャンドル・ナイトへのご協力とご参加に、心からの敬意と感謝を捧げます。
 本当にありがとうございました。
 なお、当日行った募金には積極的なご協力をいただき八〇万円を超える募金をいただくことができました。あわせて御礼を申し上げます。費用を賄うにはさらに募金をお願いせざるを得ない状況にありますので、団体・個人の皆さんのご協力をいただければ幸甚です。

 口座 みずほ銀行千住駅前支店 2・5実行委村田智子
 番号 普通・2131004
 ニテンゴジッコウイムラタトモコ

 また、集会・パレードはビデオ撮影をしています。後日、インターネットやビデオカセットでご覧いただけるようにする予定です。
 私たちの平和への願いをよそに、二月三日、政府は陸上自衛隊本隊のイラクへの派兵に踏み切りました。派兵された部隊は、まもなくクウェートからイラクに「進軍」しようとしています。折も折、政府は都道府県知事に有事関連七法案(事態対処法制案)の概要を提示し、今国会への提出を表明しました。有事法制の完成・発動の策動も加速しています。
 平和憲法を踏みにじる海外派兵が強行され、「戦争に出て行く国」へのつくりかえが進むいま、平和の声をいっそう大きくして、戦争の道を断ち切らねばなりません。ピース・キャンドル・ナイトをきっかけに、平和の声と行動がいっそう大きく燃え広がることが私たちの願いです。それぞれの団体・地域・個人の皆さんが、そのためにご奮闘いただくようお願いする次第です。
 末筆になりましたが、皆さんのますますのご活躍とご健勝をお祈りいたします。

二〇〇四年二月六日



浮上してきた定期借家制度の見直し

大阪支部   森  信 雄

一 はじめに

 一部新聞報道によれば、自民党は一月一六日に「定期借家権等特別委員会」(委員長 保岡興治)を開き、プロジェクトチームで検討したうえ、定期借家制度の見直しを中心とした借地借家法「改正」案を議員立法で今国会に提出する方針を固めたとされている。
 かつては、借地借家法の「改正」は法制審議会での審議を経るなどして一定の時間をかけて検討されたものであるが、議員立法ということになれば時間が限られてくる。今のところ、新聞報道などによるしか情報はないが、看過できない問題であるので、判明している現状を報告する。

二 現行の定期借家制度

 更新のない定期借家制度は、二〇〇〇年三月に借地借家法の「改正」を含む「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」の施行に伴い導入されたものである。その内容は、概ね次のとおりである(借地借家法三八条)。
(1)公正証書等書面による必要がある。
(2)契約書とは別に、期間の満了により契約が終了することを説明した書面を別途交付しなければならない(それがなければ、契約は無効)。
(3)通常の「居住用建物」について、期間途中に転勤、療養その他やむをえない事情により使用継続が困難になった場合は、賃借人は解約申し入れ(中途解約)ができる。
(4)「居住用建物」につき、従前の借家契約を定期借家契約に切り替えることはできない(附則三条)。
 右のうち(3)および(4)は「居住用建物」に関する部分であり、「事業用建物」については賃借人の保護にいささか欠けるところはあるが、総じて現行の定期借家制度は賃借人の地位にも一定配慮したものとなっている。
 ところが、同制度導入時に法施行後四年を目途として見直しを行う旨の附則が置かれたため、それを根拠として見直し作業が着手されたのである。

三 何が検討対象になっているのか

 定期借家制度見直し作業で浮上しているのは、主に次の点である。
(1)契約時の書面による説明手続を廃止または簡素化する。
(2)現行法で認められている「居住用建物」についての中途解約権を廃止する、あるいは解約の場合でも賃貸人は違約金を請求できるようにする。
(3)当事者の合意があれば、従前の普通借家から定期借家への切り替えを認める。
 要するに、全面的な見直しである。仮にこのような内容の見直しがなされれば、定期借家契約時に十分説明がないまま契約がなされ、一旦契約が成立してしまうと賃貸人から中途解約はできず、仮にできるとしても残りの期間の賃料を支払わなければならないことになりかねない。
 また、従前の普通借家は次第に定期借家に切り替えられていくであろう。これでは賃借人の地位は極めて弱いものになってしまう。

四 おわりに

 今国会は憲法、そして国のありかたを左右するイラク派兵問題で揺れている。その陰であまり知らされないまま、市民の日常生活に重大な影響を及ぼしかねない法「改正」が進められようとしている。
時間と方法に限りがあるにせよ、何らかの取り組みが必要である。

市民問題委員会のご案内

 今国会に借地借家法改悪法案が提出される事態を踏まえ、次回市民問題委員会で、借地借家法問題とこの間の政府の規制改革政策についての議論を行い、今後の方針についての意見交換を行いたいと存じます。是非、ご参加下さい。

            

二月一七日(火)午後五時三〇分より 団本部にて
テーマ・借地借家法改悪問題とこの間の政府の規制改革政策
    不公正取引の是正(建設下請問題)



「構造改革」とのたたかいを地域から

地域の自治体労働運動への参加を

東京支部  船 尾  徹

1 自治体のアウトソーシングと公共サービスの市場化・民営化・企業参入

 政府・財界は、自治体による公共サービスを「官製市場」として、この「官製市場」を民間企業のために「改革・開放」し、小泉構造改革の自治体版として全面展開しようとしている。全国各地で、「構造改革特区」、「地方独立行政法人」、「指定管理者制度」などのツールを活用しての自治体業務のアウトソーシングによる公共・行政サービスの市場開放、民営化、営利化、企業参入は、自治体としての公的サービスの責任の放棄、解体・縮小とともに公務職場における退職強要、分限免職等の雇用問題を激発させるだろう。新自由主義的行政改革による「自治体リストラ」は、いま、新たな段階に入った。最近の動きを概観する。

「官製市場」の「民間開放」を求める財界の要求

 総合規制改革会議に提出した日本経団連の「規制改革要望」(03.10.21)によれば、「『民間に出来るものは民間に任せる』ことを基本として、大胆かつ速やかに規制改革を推進する必要がある」「官製市場の改革による民需創造の取り組みを積極的に行うことにより、社会的規制分野の改革を加速させていく必要がある」として、自治体業務のアウトソーシングにむけた「官製市場」のいっそうの規制緩和の推進を要求している。
 また、「構造改革特区制度」についても、「地域の活性化を図る起爆剤」として、「今後は、特区で認められた規制の特例措置」を、「速やかに全国展開すべきである」として、福祉、医療、教育、労働そのほか国民生活を守るための国の規制・基準を地域特区に限って、「超法規的」に緩和してきた「特例措置」としての規制・基準を、今度は国の規制・基準へと格上げ(全国展開)していくことを要求している(法の支配と議会制民主主義の破壊)。そして、今年を「官製市場改革元年」と位置づけ(「財界」04.1月号)、自治体のアウトソーシングによるビジネスチャンスをねらっている。

「民間参入の拡大」を求める総合規制改革会議の答申

 「総合規制改革会議」は、これまでにも経済・社会システムを抜本的に変革する構造改革を推進するとして、「公的関与の強い市場及び公共サービス分野(いわゆる「官製市場」)については」、「公共サービスの提供についてもできる限り民間事業者にゆだね」、全面的な民間参入を提起してきた。そして、「医療、福祉、教育、農業等の公的関与の強い分野」においては、「株式会社の参入が可能となるよう、その門戸の開放・拡大を図るべきである」と答申していた(「第二次答申」02.12.12)。ひき続いて、「第三次答申」(03.12.22)は、「官製市場の改革は当会議における最重要課題」であるとして、そのひとつとして「公共施設・サービス」の民間事業者による管理・運営、実施(民間委託・アウトソーシング)の推進による「民間開放の促進」を全面展開することを提起している。

政府の基本方針

 政府の「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三」(03.6.27)は、「民間の活力を阻む規制・制度や政府の関与を取り除き、民間需要を創造する」として、「構造改革特区」による規制緩和を「構造改革」の取り組みの筆頭にあげ、「構造改革と経済財政の中期展望二〇〇三年度改定」(04.1.19閣議決定)でも、「官から民へ」に向けた規制改革、構造改革特区の推進について、「規制改革を強力に推進する。また、競争政策の一層の強化を図る」、「構造改革特区については、引き続き可能な限り多くの規制改革を実現するとともに、規制の特例措置の効果等を評価し、それを踏まえて二〇〇四年から全国規模での規制改革を展開する」、「行政サービスの民間開放にあたって障害となる制度や規制を改革する」との基本方針を打ち出している。

民間開放の阻害要因除去にむけた内閣府の「論点整理」

 「地方公共団体の施設の包括的な管理を民間事業者が行うことを可能とする『指定管理者制度』の導入は、行政サービスの民間開放にむけた大きな一歩」と評価する内閣府は、昨年一一月に「行政サービスの民間開放を阻害する要因の把握および除去方法の検討」のために「行政サービスの民間委託(アウトソーシング)に関する調査」をして、(1)官から民へ(行政サービスの民間開放の拡大)、(2)国から地方へ(国が画一的に地方に関与する法制度の見直し)、(3)民需の拡大、の三つの視点に立って「行政サービスの民間開放等に係る論点」をまとめ(03.11.26)、この制度の適用を制約する規制をできる限り撤廃する方向で、具体的な見直し作業を始めている。

「地域再生一括法」をめざす総務省・経済財政諮問会議

 総務省は、昨年「地域再生本部」を設置し、「地域再生の今後の進め方について」(03.10.24)において、「構造改革なくして日本の再生と発展はない」、「地方にできることは地方に」、「民間にできることは民間に」等の基本を踏まえ、「地域が自ら考え、行動する、国は、これを支援する」として、「行政サービスのアウトソーシングを阻害している要因を把握し適切な対応策を講ずる等により地方公共団体の事務のアウトソーシングを促進する」としている。公物管理の抜本的見直し、窓口事務の民間委託の促進、水道、下水道、ガス事業、一部医療機関など全国に一三〇〇〇ある地方公営企業の民営化などを想定した「地域再生一括法」構想を、「日経」(03.11.24)は、「自治体サービス」のアウトソーシングの導入・促進を規制・制限している個別法を撤廃するために、構造改革特区方式で一括解除することを企図した立法構想と報道している(03.11.24「日経」)。許認可・規制などの特定分野以外はまるごと市場開放、民営化・民間委託しようとするもので、地方分権一括法を想起させるほどのスケールの立法準備に入ることを予測させる。

2 「公の施設」の管理に企業参入の道を開いた「指定管理者制度」

 構造改革特区、地方独立行政法人、指定管理者制度は、いまや自治体の市場化、アウトソーシングとリストラを実施する「三大ツール」となっている。特に、昨年、地方自治法の改正により企業参入に道を開いた「指定管理者制度」の導入は、自治体のアウトソーシングを飛躍的に拡げ、とめどもない市場化と公共性の無原則な破壊を増大させ、住民サービスの後退と従前の委託管理事業の廃止などによる自治体労働者に対する分限免職、雇用・労働条件の切り下げを激発させていくだろう。
 自治体が住民のためにさまざまなサービスを提供する施設、(1)保育所、福祉会館、養護老人ホーム等の民生施設、(2)ごみ処理施設、健康センター等の衛生施設、(3)体育館、プール、野球場等の体育施設、(4)公民館、図書館、勤労青少年ホーム等の社会教育施設、(5)国民宿舎等の宿泊施設、(6)公園、(7)市民会館、勤労会館、公会堂等の会館、(8)病院、診療所等の診療施設など、これらの「公の施設」の管理の委託先として、株式会社を含めた民間参入を可能にした「指定管理者制度」の導入により、これまで特定の法人や公共的団体に限定して受託している事業所は、三年以内に「指定管理者制度」に移行するか、自治体の「直営」にするか、を迫るものとなっている。
 総務省は「公の施設の管理状況全般について点検し、指定管理者制度を積極的に活用されるよう」(〇三年七月自治行政局長通知)指示していることからみても、急速に全国に波及していく可能性が高い。
 すでに神奈川県横浜市では、新たに開設する地区センター、福祉保健活動拠点、地域ケアプラザ、市立港湾病院等の指定管理者制度への移行にむけて、昨年九月議会で関連条例の制定・改正、本年一月下旬には指定管理者を選定。北海道富良野町では、昨年の九月議会で町立保育所の指定管理者制度をもちいた民間委託の条例の制定、東京の中野区では昨年一二月議会で保育所への指定管理者導入の条例改正。本年一月に指定管理者の決定、四月より指定管理者制度による区立保育園運営開始の予定となっている。
 さらに指定管理者制度を全面展開していくうえでの個別法の規制(例えば、学校教育法により管理主体が限定されている規制など)については、「地域再生一括法」による構造改革特区(「教育特区」)によって解除しようとしている。そうなれば自治体のアウトソーシングは、急速に飛躍的にひろがっていくにちがいない。
 指定管理者は、利用許可の権限を有し、条例の範囲で利用料金を自由に設定し、使用料を収受できる(管理運営に利潤追求を認める)ことによる住民サービスの後退、また、施設の運営への利用者・住民の参加、住民監査請求等による住民のチエックによる民主的コントロールの否定、指定管理者の得た個人情報の保護についての法的規制の欠落など、重大な問題を内包している。

3 地域の自治体労組との共同を

 各地の団員は、日々活動している地元の自治体の動向調査・分析を、自治体の労働組合とともに緊急に行い、「三大ツール」のもつ問題点を明らかにし、利用者・住民、地元の諸団体、議員とが共同して、その導入を阻止するための体制・運動を立ち上げていくことが急務となっている。各地の自治体労働組合は、地域の民主的諸運動の中軸を担っているところが多い。そこで、これらの組合との連帯が、いま求められている。
 自治労連弁護団は自治体のアウトソーシングについての法的分析作業を緊急にまとめている。是非、御活用されたい。



ソウル街頭宣伝と東京支部の

韓国平和ツアー参加のお誘い

東京支部 笹 本  潤

1、一月一七日ソウルで東京支部の大山、金弁護士とともにイラク派兵反対の街頭宣伝活動をしてきました。マイクでの宣伝とチラシ巻きをしましたが、チラシには、日本でも韓国でもイラク派兵に反対しよう、という趣旨のものをハングルと日本語で書いたものを配布しました。

「韓国でも日本でもイラク派兵に反対しましょう!
ソウル市民のみなさん、こんにちは!私たちは韓国と日本のイラク派兵に反対している日本の弁護士です。日本政府は自衛隊をイラクに派兵することを決めました。日本の自衛隊が外国の戦闘地域に行くのは戦後初めてのことです。戦争と武力行使を禁止し、軍隊を保有しないことを定めた日本国憲法第九条にも反します。過去の日本のアジアに対する侵略と植民地化の歴史を全く反省しないものです。韓国でも韓国政府がイラクへの追加派兵を決定しました。韓国の軍隊の派兵でも日本の自衛隊の派兵でも、イラクへの派兵は、イラクの人々を殺し、派兵された軍人も殺されることになります。絶対に許してはいけないことです。韓国と日本の市民が力を合わせて韓国と日本のイラク派兵に反対していきましょう。そしてアメリカのイラクへの不法な軍事占領にも反対していきましょう。
二〇〇四年一月韓国と日本のイラク派兵に反対する日本弁護士有志
自由法曹団(日本)」
 ソウル市民の反応は、東京でのチラシ巻きよりも受け取りが良く、若い男女もかなりの割合でチラシを受け取っていました。わざわざ戻ってきて受け取る人、コートから手を出して受け取る人、ちょっと日本では出会わなかった風景にも出会えました。日本よりも政治に対する意識が高い、と感じざるを得ませんでした。そしてそれはなぜなのかを考えさせられました。
 日本でも韓国でも、アメリカがイラク派兵の要請をしたのは明らかで、アメリカは米軍基地があり経済的にも関係の深いからこそ日本と韓国に対して派兵を要請したのでしょう。日本政府に対する運動のように、アメリカに対しても東北アジアからはイラクに派兵しないぞの声も大きくすべきではないか、というのが私の感想です。EUは結束力があるからこそ、ドイツ、フランスのように派兵しないことができる。東北アジアも結束力を高めていかないといけないと思います。しかし、長い道のりであるし、地道な活動も必要になってきます。

2、そんなことを思いつつ、三月二六日から三〇日にかけて自由法曹団東京支部では韓国平和ツアーの企画をしています。東京支部以外の方の参加も大歓迎です。
 ツアーの一番の目的は、韓国の民主主義のための弁護士集団(略称・民弁)とのシンポジウムです。その中では、日本側からは、(1)イラク派兵反対運動、(2)日本の改憲反対運動、(3)在日コリアンいじめ問題を報告し、韓国側からは、(1)イラク派兵反対運動、(2)韓国の良心的兵役拒否・ベトナム戦争参戦の総括、(3)米軍基地反対闘争、(4)朝鮮半島情勢が報告され、その後それぞれのテーマについて質問と討論を行う予定です。また、イラク派兵反対、東北アジアの平和に関しては民弁との共同記者会見も行う予定です。なお、民弁の弁護士も韓国軍のイラク派兵差止訴訟を提起したそうです。憲法裁判所で棄却となったそうですが、その報告もされる予定です。
 その他、平和団体や労働団体の訪問と、ソウル市内においてイラク派兵反対の街頭宣伝やチラシまきも予定しています。ハングルの横断幕も作る予定です。
 前半の三日間は、独立記念館や三・一独立運動時の虐殺現場跡などをめぐるツアーを企画しています。やはり韓国の人との平和交流には自国の犯した加害行為を胸に刻み込んでからでないと日韓の連帯は難しいからです。
 このツアーの参加資格は、団東京支部の弁護士でなくてもいいし、一般市民の方や、団員の家族でも結構です。八王子合同法律事務所は事務所旅行をかねて参加しますし、田中隆団員も家族で参加すると聞いています。是非ともふるってご参加下さい。
 詳しい日程と申込の手続は、旅行会社のユーラスツアー(電話03-5562-3382 FAX03-5562-3380、担当宮垣mail:m.miyagaki@euras.co.jp)までお願いします。第一次〆切は二月二〇日です。申込書は団東京支部(電話03-3814-3971 FAX03-3814-2623、mail: dantokyo@dream.com)にもあります。

3、ツアー日程概略

  ・ 三/二六 ソウル着 キャンドル集会に参加
  ・ 三/二七 独立記念館、堤岩里教会記念館など見学
  ・ 三/二八 ソウル市内の閔妃暗殺跡、安重根記念館、西大門刑務所記念館など見学
  ・ 三/二九 市民団体と交流、民弁との記者会見、民弁とのシンポジウム
  ・ 三/三〇 街頭宣伝など 帰国 
     (三/二八から途中参加するコースも準備しています。)



アフガニスタンでの大虐殺

ーアフガニスタン国際戦犯民衆法廷で明らかになったもの

東京支部  萩 尾 健 太

 昨年、アフガニスタン国際戦犯民衆法廷が行われ、被告人ブッシュに対して有罪判決が言い渡されたことは、すでにこの法廷に携わった多くの団員が団通信で報告した通りです。
 私も、検事団の一員として「侵略の罪」「被抑留者に対する戦争犯罪」を担当しました。特に、「被抑留者に対する戦争犯罪」は約七〇〇〇名以上もの捕虜、文民の虐殺、虐待を含むものです。しかも、数百人もが今もグナンタナモ米軍基地に拘禁され、犯罪行為は続いています。しかし、その事実は、日本ではあまり知られていません。そこで、この大虐殺、虐待について、「法学セミナー」に掲載した原稿を元に、検事団の主張と、ブッシュの主張を代弁したアミカスキュリエの主張、それに対するコメントに分けてまとめたものを、以下に紹介します。
 検事団の主張:アメリカは、二〇〇一年一一月にクンドゥズで投降したタリバン兵、アルカイダ兵捕虜約七〇〇〇人と文民を抑留し、以下のように拘禁、虐待、虐殺し、捕虜についてはジュネーブ第三条約一三〇条、文民については、ジュネーブ第四条約一四七条に反する戦争犯罪をなした。
投降兵の一部が収容されたカライジャンギ刑務所では、捕虜の暴動に対し、アメリカは空爆や銃撃などで攻撃し、そこにいた約七〇〇人の捕虜を殺害した。
 他の数千名の投降兵や文民は、コンテナ一台に約二〇〇名すし詰め状態で押し込まれ、二四時間かけてシェバルガン刑務所に移送された。その途中、被抑留者らは多くが精神に異常をきたし、そばにいる者の指や腕や脚にかみついた。北部同盟の兵士は空気穴の名目でコンテナを銃撃し、被抑留者を射殺した。生存者は一台四〇人ほどだった。
 負傷した被抑留者はダシュテ・ライリの原野に運ばれ一〇〇〇名近くが射殺された。そこには、コンテナで死んだ被抑留者と合わせて約四〇〇〇体もの死体が埋まっている。
 シェバルガン刑務所では、捕虜は首を折られ、酸を浴びせられ、ナイフを脚に突き立てられ、舌や髭をそぎ落とされた。医療は劣悪で約二〇〇人の被抑留者が赤痢や肺炎で死んだ。
 そこで選別された被抑留者は、カンダハル基地やバグラム空軍基地に移送され拷問された。米軍は、被抑留者に黒いフードをかぶせたり、スプレーで前が見えなくなったゴーグルをかけさせたり、強いハロゲンライト照射や大型ノイズを二四時間与えて睡眠を奪い、いびつで苦痛な姿勢を強要した。ある被抑留者はずっと裸で一〇日間立たされ、足はふくれて足かせが足を締め付け血の流れが止まった。それでも尋問中蹴られ続けた。
 米軍は、被抑留者を、キューバ東端グアンタナモ米国海軍基地に、米空軍輸送機で二三時間かけて手錠をはめ座席に縛り付け頭巾をかぶせて強制移送し、グアンタナモに着くと、体が縛られたままの被抑留者を床に投げ捨て負傷させた。そこでは、有刺鉄線のみで囲まれた風雨にさらされるニワトリ小屋のような建物に被抑留者を何人かずつ鎖でつなぎ、祈るな、しゃべるなと言って度々こぶしで殴った。拷問で、捕虜に高度の脳障害を負わせた。

〈争点1:米国の抑留したタリバン兵、アルカイダ兵には捕虜の資格があるか〉
 アミカス・キュリエの主張:アメリカは、二月七日の声明で、アルカイダ兵は私的なテロリストでジュネーブ条約批准国に属さないからジュネーブ第三条約適用はない。タリバン兵はジュネーブ条約を批准したアフガニスタンの軍隊だが、軍隊と民間人を区別するための条約の基準に反し、ともに不法戦闘員であり、ジュネーブ条約で保護されない。
 検事団の主張:クンドゥズに立てこもって投降したタリバン兵、アルカイダ兵が戦闘員であることは、投降交渉を行った北部同盟やアメリカには明白である。文民に紛れる心配のない公然たる戦闘員については捕虜の資格がある。アルカイダは、タリバンとともに投降しており、紛争当事国のアフガニスタンに属し、捕虜の資格がある。
 抑留された非戦闘員は文民としてジュネーブ第四条約の保護が与えられる。
 コメント:仮に捕虜の資格がなくても、戦闘員は戦闘行為を普通犯罪に問われるだけで、人道的待遇は当然なされなければならない。 上記の待遇はそれに反する。

〈争点2:コンテナ移送、シェバルガン刑務所での虐待を被告人に帰責出来るか〉
 検事団の主張:コンテナ移送、射殺は米軍の指令である。シェバルガン刑務所は事実上米軍の管理下にあった。
 アメリカの主張:そのような事実は認められない。
 コメント:この点については、証拠不十分と言うことで、被告人は無罪となった。さらなる調査が必要である。

●現在、占領下のイラクでも、同様な虐待、拘禁がなされているのではないかと懸念します。自衛隊派兵までして、このような「占領」の共犯者に日本がなったままで良いのか、が問われているのではないでしょうか。



愛国者法(九月一一日事件後のアメリカ合衆国における治安立法、治安政策)(4)

北陸支部  菅 野 昭 夫

オマール・ジャマールのケース

 私たちは、二〇〇三年一〇月のNLG総会(ミネソタ州ミネアポリス市)出席の際に愛国者法によって仕掛けられた刑事裁判と国外追放裁判を闘っているオマール氏にインタヴューすることができた。以下はその内容である。
 オマール氏は、ソマリア人であり、六年前にアメリカ合衆国に政治亡命をして認められ、以後アメリカに居住している。亡命後、ミシシッピー州メンフィス市にある大学で生物学を学んだ後に、州の農業局に勤務していた。しかし、二〇〇一年九月一一日事件の後に、彼を含め全てのムスリムが解雇され、彼はミネソタ州セント・ポール市に移住した。ミネソタ州には数千人のソマリア人が居住し、その多くはタクシーの運転手や自営業者として働いている。しかし、九月一一日事件の後に、FBIは二〇歳から四〇歳までの全てのムスリムにテロリストとの関係を質問することを開始し、さらにアメリカ中のムスリムに対しさまざまな嫌がらせが行われるようになった。ミネソタ州のソマリア人社会でも、五〇〇人以上のソマリア人が逮捕勾留され、令状なしの逮捕勾留や、愛国者法による国外追放処分が相次いだ。さらに、ヘイト・クライムも横行し、例えば、70歳のソマリア人がバスを待っているとき二人の白人に襲われて殺されたケースや、道路を妻と歩いていた二四歳のソマリア人がナイフと拳銃で殺害されたケースなど、ソマリア人もそのターゲットとなった。商売を営んでいる多くのソマリア人が廃業を余儀なくされた。そのため、ミネソタ州のソマリア人は、ソマリア・ジャスティス・アドヴァカシー・センター(ソマリア人権擁護センター)に結集し、自らの権利擁護の活動を行っている。オマール氏は、このセンターの活動に従事し、選挙でその執行委員長に選ばれた。オマール氏は、ソマリア人社会の指導者として、FBIやINS(連邦移民帰化局)の違法行為からソマリア人を守るために断固として闘い、たびたびFBIやINSと対峙し、また積極的に社会に発言し、ミネソタ州では著名な人物となっていた。彼は、NLG元議長のピーター・アーリンダー弁護士の近所に住み、その友人でもある。
 このオマール氏が、二〇〇三年三月三一日朝七時に、INS職員を名乗る男から自宅に電話を受けた。INSの事務所に来て何人かのソマリア人の識別をしてほしいとの要請であった。彼は、朝早いし忙しいから、と断った。すると、相手は、すぐに来てくれなければこちらから行きましょうと執拗であった。結局、オマール氏は行くことに同意しはしたものの、胡散臭いので、近所のピーターの家に行き、顛末を話した。ピーターも、あやしい話なので自分が弁護士として同行すると言い、朝食を二人でとって、八時三〇分頃、二人が家の前に止めてあったピーターの車に乗った瞬間に、二台の車が猛スピードでやってきてピーターの車を挟んで停車し、中から下りてきた男がFBIのバッジを示して、オマール氏を逮捕する旨告げた。ピーターが容疑事実を明らかにするように要求すると、以下のような答えであった。それは、オマール氏がアメリカ合衆国に亡命を申請した際、オマール氏が宣誓のうえ文書に記載した次の三つの質問に対する回答が虚偽の内容であるというものであった。その質問とは、(1)オマール氏がメンフィスに来る前に、他の国に旅行したことがあるか、(2)オマール氏の妻と子供も亡命申請前に他の国に旅行したことがあるか、(3)アメリカ合衆国に亡命申請する前に他の国に亡命申請をしたことがあるかという内容である。ピーターは、オマール氏に対し、いかなる質問にも答えてはならないとアドヴァイスし、オマール氏は後ろ手錠で連行されていった。
 その日の午前一一時にミネアポリス市の連邦裁判所で最初の審理が行われた。法廷はピーターともう一人の弁護人の他に、ピーターの呼びかけで集まった多数のマスメディアが注視する中で開かれた。弁護人は、無罪を主張し、この逮捕が権力と対峙してきたソマリア人社会の指導者に対する報復的ないやがらせであり、オマール氏は地域で著名な人物でソマリア人社会での活動が必要とされており、逃亡の恐れはないと述べて、直ちにオマール氏を釈放すべきことを求めた。そして、裁判官は、本件の刑事事件の審理をメンフィス市の連邦裁判所で行うことを決定し、同裁判所への出頭をオマール氏に約束させて、同氏を直ちに釈放すべきことを命じた。すると、その法廷にいたINSの職員は、直ちに、オマール氏がアメリカ合衆国にとり危険人物であるから、愛国者法に基づいて国外追放を求めるために同氏を拘束する旨宣言し、その場でオマール氏に手錠をかけて再び身柄拘束した。
 結局オマール氏は、二日間の勾留の後、弁護人の保釈請求により、六〇〇〇ドルの保釈金で釈放され、オマール氏の刑事裁判はメンフィス市の、国外追放の可否はミネアポリス市の、それぞれ連邦裁判所で審理されることになった(弁護人は、オマール氏が貧困のためメンフィス市での審理は過大な負担になると移送を申し立てたが、却下された)。そして、ミネアポリスでの国外追放をめぐる裁判は、刑事裁判の帰趨を待つことになった。
 ところが、メンフィスでの刑事裁判は検察官の傍若無人な態度のため遅々として進まなかった。当初、検察官は、オマール氏が虚偽の回答を行ったことを証明できる重要証人がトラックにはねられて死亡したので、審理を延期してほしいと申し入れた。しかし、検察官は弁護人から問われても、その名前も明らかにせず、交通事故が実際に起きたことを裏づけようとしなかった。愛国者法によれば、政府は証人の身元を明らかにする必要はないというのである。審理は六回開かれたが、その間、INSはオマール氏の下肢にセンサーを埋め込んだ取り外しのできない足かせを装着させ、少しでも無断で居所を離れたら逮捕すると脅迫したが、令状なしであったため、裁判官の激怒を買い、取り外さざるをえなかった。そして、検察官は、前述した容疑事実はもはや立証が無理なので、別な容疑事実を発見するまで審理を中断してほしいとまで言い出したのである。次回期日は一二月に開かれるが、弁護人は、迅速な裁判を受ける権利が侵害されていることを理由に、公訴棄却を求める方針である。
 このケースは、幸い、長期の身柄拘束もされず、弁護人とのアクセスも妨害されずに経過しているが、これは、逮捕が弁護士の面前で行われたことと、マスメディアの注視の中で裁判が進行していることによると考えられる。

(つづく)



新春の事務所ニュースを読んで(寸評)

福岡支部  永 尾 廣 久

 私の正月の楽しみは、全国各地の法律事務所から送られてくる新春挨拶のニュースを読むこと。全国各地で、同じ志の仲間たちが元気に頑張っているのを知ると、うれしいし、今年も一年元気に負けずにがんばろうという思いを新たにすることができます。今年も春うららかな陽差しのもとで読みふけりました。余計なおせっかいという声があることを覚悟しながら、今年も寸評を投稿します。これは団本部の依頼によるものでもないし、まったく私の独断と偏見そのもの。ただ、昨年も投稿したところ、何人もの反応があり、ニュース担当者の苦労に報いるつもりなのですから、関心のない人は読み飛ばしてください。
 全国各地で団事務所が地域に根をおろしていることがニュースを読むとよく分かります。でも、地域のフツーの人々にどれだけ分かってもらえるニュースになっているかというと、少々疑問を感じるところがないわけでもありません。その点を少しばかり改善してほしいと願って勝手に書いてみました。
 私の言いたいことは、要するに、フツーの市民に読んでもらえるニュースでなければお金をかけて発行する意味がない、読んでもらうためには工夫がいる、裁判所向けの準備書面を市民向けのニュースに書いても読んでもらえない、ということに尽きます。ニュースは論文集ではないはずです。難しいことを分かりやすく世間に伝える。マスコミでは報道されないような、弁護士の目から見た社会の現実を広く市民に知ってもらう機会にする工夫をしてほしいのです。
 ここに紹介するのは五二の事務所ニュース。これ以外にも、明らかに団事務所とは思えないニュースも読んでいますが、そちらは割愛します。紹介するなかに、うちは団事務所と思っていないというところがあるのかもしれません。そのときには関係者の皆さんに伏してお詫びします。

白黒ニュース一二
 カラーのニュースが四三、白黒など一色が一二です。一色といってもスミ(黒)以外が三、スミだけど色紙をつかったのが一、表紙のみ二色にしたのが一ありました。タブロイド版は三。
東京合同・・・新聞そっくりのレイアウトで、とても読みやすいニュースです。写真もたっぷり使われ、特集テーマのセンスも良くていつも楽しみにしています。今年のテーマは内部告発でした。いかにも手だれの編集者がいると推測します。藤本先生、次号は目新しいテーマでお願いします。
林百郎・・・最後の所員一人ひとりの年賀状は読みやすく、いいアイデアだと思って、いつも楽しく読んでいます。でも、本文がゴチャゴチャしているのが残念です。
千葉中央・・・井出達希弁護士の「子育て奮闘中」の記事がいいですね。かわいらしい赤ちゃんですね。コントの「現代小言幸兵衛」はよくできています。でも、表紙がいまいちで、レイアウトにもう一工夫ほしいと思います。
富山中央・・・木澤弁護士の「ノーベル賞に異議あり」は同感です。佐藤栄作にノーベル平和賞だなんて、信じられませんでした。でも、田中耕一さんのは良かったですね。ただ、二〇代のときの発 見だそうです。やっぱり発見は若いときなのでしょうか。写真がなく、小見出しもありませんので、ニュースとしては少し読みにくい感じです。
馬車道・・・駅伝で疾走する小賀坂弁護士の写真は迫力があります。陶山先生が亡くなられたなんて、信じられません。今どき珍しいパートカラーです。写真はたっぷりあり、面白いのですが、もっ と小見出しをいれたら、さらに読みやすくなると思います。
大阪・・・大雪山やエジプトの写真があるなど、所員の顔写真つき近況報告はバラエティーに富んでいて面白い。でも、事件と情勢の解説を入れてほしいなと思いました。表紙の写真はいいのですが、挨拶文は固くて工夫の必要があるように思います。
長野中央・・・最後の事務局員の話が簡潔で、一番読みやすい。本文に小見出しがまったくなく、顔写真もないので、とっつきにくい印象になっています。長野県はヤミ金対策で、よくがんばっていますね。内村先生、小見出しにナンバーは不要です。
横浜みなみ・・・シェイクスピア「リチャード三世」を見に行ったそうです。うらやましい限りです。写真とカットによって、すっきりしたニュースです。
横浜合同・・・痴漢に間違われた男性が公務執行妨害で逮捕され、無罪をとった話は勉強になりました。弁護士ひとりずつ顔写真つきで一頁というのは読みやすいと思います。これに小見出しをいれてカットなどが入ったら、もっと読みやすくなると思います。
 本文に漢字ばっかりだと黒っぽくなって、固くなります。やわらかい印象の紙面にする工夫が必要です。
川越・・・しっとり落ち着いた雰囲気のニュースです。細田弁護士の「三〇年病欠なしがささやかな自慢」というのは、私も同じです。お互い、さらに記録更新めざして、無理をせずに頑張りましょう。
下関第一・・・弁護士会長をしながら、事務員さんを四人もかかえて臼井弁護士が奮闘していることがよく分かるニュースです。
小倉南・・・花と緑と音楽のある法律事務所を標榜するユニークな事務所です。弁護士と事務員さんの顔写真をぜひのせてくださいね。

カラー・ニュース B5サイズ五、変形一
京都第1・・・いつも、すばらしい編集に感嘆します。でも、なぜか、秋山弁護士の文章と対談に小見出しが入っていません。これでは天晴に欠けます。
 司法改革と憲法のコーナーは固すぎませんか。漢字ばっかりです。これでは市民が、ここだけ読み飛ばしてしまうんじゃないかと心配します。弁護士と事務局のコーナーは秀逸です。事件報告も読 みやすい。最後のページも、分かりやすい地図が入っていて、さすがです。
黒崎合同・・・「私の一言」コーナーは写真が入っていて読みやすい。でも、本文は小見出しも写真もなく、読みにくい。と言っても、安部千春弁護士の解雇撤回の話はいつものように面白い。準備書面ではありませんから、横光先生、小見出しにナンバーは必要ありませんよ。
東京北・・・末尾の所員紹介コーナーは読みやすく面白い。法律事務所が高層建築物の被害者になることもあるんですね。でも、本文はゴチックが多すぎですね。カラーもバックにすかしが入ると、かえって読みにくくなります。
東京中央・・・顔写真つきの所員の「私のストレス解消法」がとても面白く、参考になります。ちょっとした嬉しいことを見つけて気分転換をはかるという菅沼弁護士の話に同感しました。カラーの使い方もいい。でも、小見出しがありません。年表とか日誌をニュースにのせる必要があるのでしょうか?
たかさき・・・小型サイズの割には、ずっしり内容のあるニュースです。所員の挨拶は、メッセージがよく伝わります。小見出しのナンバーを取り去って囲みをつけるとか、養育費の解説に小見出しをつけたら、もっと市民に分かりやすいニュースになると思います。
けやき総合・・・南雲先生、せっかく頑張っておられるのですから、ぜひ自分自身の所信とか近況報告も紹介してください。読む人に 親近感が増しますよ。

タブロイド版ニュース一一
 東京法律事務所は柳沢弁護士のリンゴの花の絵をのせ、名古屋第一は原山弁護士のスイセンの花の写真をのせています。いずれも、いかにも正月らしい雰囲気をかもし出しています。絵の描ける人って、本当にうらやましいかぎりです。新潟合同は、所員全員の集合写真を載せていますが、新春のまぶしい光があたって、いかにも正月らしい雰囲気です。ただし、本文に小見出しがなくて読みにくいのが残念です。
東京・・・「所員紹介」ばかりでいいのかという気がしないでもありませんが、親しみがもて、読みやすいニュースです。
神戸合同・・・内海弁護士のイギリス旅行「表と裏」に笑ってしまいました。色彩豊かなニュースなのですが、本文が字ばっかりです。漢字が多くて黒っぽい紙面で、小見出しもなく余白がないのが残念です。
東播中央・・・設立されて三〇年の歩みが紹介されています。西村忠行先生が亡くなられて八年たちました。レイアウトはとてもいいと思います。でも、なぜか写真のうつりがすごく悪くて、損をしています。
三重合同・・・本文が少々読みにくいのは、弁護士の文章が準備書面と同じで漢字が多いせいです。ニュース向けの文章は違うという意識をぜひもってください。私と同期の石坂弁護士の老いにあらがう、やる気に学ばされました。次のニュースには事務員さんの顔写真ものせてくださいね。
やまと・・・峯田先生が五人の高齢者の後見人をしているとは驚きました。私の母も尊厳のうちに生きています。上品な感じの紙面です。弁護士短信もいい感じです。でも、本文のヤミ金立法・裁判員の解説文が、なんだかもうひとつです。なぜでしょう?
広島・・・新人のくわだ弁護士の絵入りプロフィールが面白い。漢字が多くて、小見出しもない。その割りにはなぜか読みやすい。大きな顔写真があるせいかな・・・?
奈良合同・・・佐藤真理弁護士の奮闘ぶりがよく分かるニュースです。これも漢字ばっかりの割りには読みやすい。恐らく顔写真があって、おサルさんのカットがあるからでしょう。
三多摩・・・鈴木弁護士のナショナル・ロイヤーズ・ギルド総会報告を興味深く読みました。サンちゃん、タマ子の「いいたいほうだい」は、少し固苦しくありませんか。ここはいつも弁護士と事 務局のペア写真。これがよくできています。漢字をもっと少なくしたら、さらに親しみやすい紙面になると思います。
阪南合同・・・半田弁護士の「てんかんを持つ人に頭部保護帽を支給してほしい」という文章で、初めて状況を知りました。表紙の写真が素敵で、事務局短信がとても読みやすくて面白い。でも、挨拶文が固いですね。本文にはまるで小見出しがなく、区切りの色分けが読みづらくしている感じになって、損しています。

A4サイズ(カラー)二三
名古屋南部・・・安藤巌弁護士の描かれた福寿草の絵がほんのり新春の雰囲気をかもし出していて、いいですね。マンガもあります。でも、本文に小見出しがなく、余計なナンバーがついているので 減点二点です。
きづがわ・・・子どもの絵を表紙にもってきたり、レイアウトはプロによるものとしか思えません。抜群の読みやすさです。エアロビクスやストレッチヨガで心身を鍛えている岩田弁護士に負ず、私も水泳を続けます。
神戸あじさい・・・しゃれた絵の表紙です。しかも、正月のニュースにふさわしいセンスのレイアウトで、読みやすさは最高です。あえて難を言うと、「司法の問題状況」は難しすぎて、フツーの市民には理解できないのではないでは・・・?
東京駿河台・・・さすが国際人権のプロらしく、イラクの状況も詳しくレポートされています。いつも、ここの顔写真のすばらしさに感嘆しています。プロに頼んでいるんでしょうね、きっと。字がぎっしり詰まっている割りにはとても読みやすい。でも、小見出しを入れたら、もっと良くなると思うのですが・・・。
北海道合同・・・「北の峰」。よく出来ていると感心するばかりです。芝池弁護士によるイラクからの現地レポートなんて、写真もあって圧倒されます。弁護士と事務員全員の顔写真入り一言も素晴らしい。三津橋先生の引退を知って残念に思いました。
山口健一・・・弁護士と事務員のペア写真はそれぞれ微妙な差もあって面白い。でも、本文には写真もカットも少なくてさみしい。レイアウトに一工夫ほしいですね。
ちくし・・・いま福岡で注目されている、パワーあふれる事務所。一般市民むけに、料金システムや仕事の流れが図解されているところがユニークです。でも、一、二面は配色とレイアウトにもう一工夫してほしいと思いました。
東葛総合・・・「カッとび」。むちうちの正体が低髄液圧症候群という左近允弁護士の指摘に目を開かされました。レイアウトもよくできていて、読みやすいニュースです。でも、もっと漢字を少なくして白っぽい紙面にしたらどうでしょう。
五反田・・・表紙の富士山の写真は見事です。でも、短い挨拶文がなぜこんなに固く漢字ばかりなのでしょう。訴求力を弱めていると思います。本文の記事に小見出しがないので読みやすさに欠けます。所員の近況報告はよく状況が分かり、面白く読みました。田島弁護士の写真はフセイン逮捕時の再現のようでした。
関西合同・・・表紙写真がすばらしい。挨拶文は、ちょっと固すぎる感じです。梅田弁護士との対談は分かりやすい。あとの本文に顔写真がないので、とっつきにくい。末尾の一覧表って、本当に必要なのでしょうか?
埼玉中央・・・小見出しがなくても、顔写真がこれだけ大きいと読めるものなんですね。でも、事務員さんの顔写真と違って、弁護士のは正面向きばかりで固苦しい印象です。
札幌協和・・・表紙のベニスの写真を見て、行ってみたくなりました(私はまだイタリアには行ったことがありません)。今年の抱負がいつも弁護士・事務員全員の顔写真つきで、親しみがもてます。事務所旅行記は、いつも楽しく読ませます。
佐賀中央・・・ヤミ金業者から大量の寿司が届き、消防車・葬儀屋が来るというイヤガラセを受けたそうです。うちも気をつけなくっちゃ・・・。河西弁護士の似顔絵があまりにソックリなので、思わず笑ってしまいました。
小倉東総合・・・いったいどこの法律事務所か、一見しては分かりませんでした。若かりしころのアラマキ・ガナハ両先生の写真を見て、ようやく判明しました。「東風」とある割には、表紙の文章が固すぎませんか?
埼玉総合・・・すっきりしたニュースです。読みやすいのですが、漢字が多いうえに小見出しがないので損をしています。16人もの事務員さんのコーナーが楽しそうで、目を魅かれました。村井先生、私も福岡県弁護士会のホームページに書評を連載しています。一度のぞいてみて下さい。
旬報・・・表紙もレイアウトもカットが入っていて、すごく新鮮です。その割に、挨拶文が漢字ばかりで、センスが一貫していないと思います。
北九第一・・・表紙の三浦久先生のルツェルン(スイス)の写真を見て、私も家族旅行で一週間そこに泊まりましたのでなつかしく思い出しました。白鳥の泳ぐ湖畔の静かないい町です。イラク戦争反対を訴える文章が読みづらいのが難点ですが、あとは本当によくできています。迫田弁護士のアウシュビッツの写真がきれいすぎて、不思議な気がしました。
城北・・・アフガニスタンの写真をのせているのはたいしたものです。とてもすっきりした良いニュースです。小見出しがあれば、さらに読みやすくなると思います。
臼井・・・すごいですよね。弁護士二人、事務員四人。弁護士会長として人権大会を支えましたが、その格調高い挨拶も良かったですね。先日の赤旗新聞にも登場。地域に根ざしてがんばっていることがよく分かるニュースです。
東京南部・・・レイアウト・色のつかい方が抜群のすばらしいニュースです。脱帽します。見習いたいものです。杉尾先生、小笠原での法律相談活動はすばらしいですね。
福岡第一・・・表紙がカラーで、すっきり目を魅きつけます。でも、本文の配色がいまいち。小見出しがないことも読みにくくしています。所員全員の似顔絵入り一言はよく特徴をとらえていて、面白くできています。才能がありますね。
あべの総合・・・表紙の曙光の写真がすばらしく、頁をめくってもレイアウトと色のつかい方が素敵です。「所員ずいそう」も写真入りで読みやすく面白い。蒲田豊彦弁護士による方丈記の解説まであり、奥ゆかしいニュースです。
さっぽろ・・・はっとする黄金色の福寿草の写真が目を魅きつけます。猪狩先生ご夫妻も実に若々しい。事務員さんたちの顔写真つき挨拶も元気ハツラツで、新春から、いい気持にさせるニュースです。



「合意案」による敗訴者負担の導入に反対する

国会内集会のご案内

担当事務局次長  坂  勇 一 郎

 三月にも国会に「合意案」による敗訴者負担法案が提出されると伝えられています。いよいよ闘いの舞台は、司法アクセス検討会から国会に移ります。
 よりいっそう、国会議員に対する働きかけを本格化させていく必要があります。
 弁護士報酬の敗訴者負担に反対する全国連絡会の主催により、左記のとおり国会内集会が開催されます。是非、多数お誘い合わせの上、ご参加下さい。

               記

日 時  二月二四日(火)午後〇時四五分〜午後二時一五分
            (午後〇時三〇分開場)
場 所  衆議院第一議員会館第一会議室