2026年4月30日、「国家情報会議設置法案の廃案を求める意見書」を発表しました

カテゴリ:意見書,戦争法制,治安警察,秘密保護

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国家情報会議設置法案の廃案を求める意見書

 

2026年4月30日

自 由 法 曹 団

1 衆議院における国家情報会議設置法案の採決強行
 2026年3月13日、閣議決定され国会に提出された国家情報会議設置法案(付則で内閣法の改定案による内閣情報調査室の国家情報局への格上げを規定している)が、4月23日、衆院本会議で、自民党、日本維新の会、中道改革連合、国民民主党、参政党、チームみらい等の賛成多数で可決した。
 同法案は、情報コミュニティー省庁(警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省などの情報収集等を行う省庁)の司令塔として、「内閣情報会議」と「内閣情報調査室(内調)」をそれぞれ格上げした「国家情報会議」と「国家情報局」を設置するものである。しかし、こうしたインテリジェンス体制の強化は、戦争する国づくりと一体の動きであり、また、国のスパイ活動の対象は国民にも及び、市民監視や人権侵害が拡大するおそれがあるのであるから、自由法曹団は、本法案に反対し、その廃案を求める。

2 「国家情報会議」の目的と内閣総理大臣への情報の集中
 「国家情報会議」は、本法2条で「重要情報活動(安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急の事態への対処その他の我が国の重要な国政の運営に資する情報の収集調査に係る活動をいう。)及び外国情報活動への対処(公になっていない情報のうちその漏えいが重要国政運営に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動(これと一体として行われる不正な活動を含む。)であって、外国の利益を図る目的で行われるものへの対処をいう。)に関する重要事項を調査審議する機関」とされている。
 すなわち、国家情報会議は、安全保障やテロ、緊急事態などについての情報収集と、外国のスパイ及びそれと一体と疑われる活動への対処についての調査審議をする機関である。
 重要情報活動における「その他の我が国の重要な国政の運営に資する情報」の対象は極めて幅広く解釈でき、また「外国情報活動」におけるこれと「一体として行われる不正な活動」とは外国とつながっていると思われる活動を広く対象とすることができる。国家情報会議が行う情報収集には事実上歯止めがないに等しく、政府を批判する者は「中国のスパイ」などと誹謗される昨今の状況の下で、市民監視や人権侵害が拡大するおそれのある極めて危険なものといえる。
 「国家情報会議」は、議長を内閣総理大臣、議員を内閣官房長官、特命担当大臣、国家公安委員会委員長、法務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣及び防衛大臣などの関係閣僚とする会議であり(5,6条)、インテリジェンス(情報の収集・分析)の司令塔と位置付けられている。同会議は、安全保障に関する外交・防衛・経済の司令塔である国家安全保障会議(NSC)と同格となる。本法案7条は、内閣官房長官や関係行政機関の長は会議に資する資料・情報を提出するとともに、議長(首相)の求めに応じて、資料・情報の提供および説明、必要な協力を行わなければならないとしている。各省庁の情報機関に対し「国家情報会議」へ情報や資料を提供する義務を定めているのである。
 これは、議長である内閣総理大臣に、重要情報活動や外国情報活動に対処するための情報アクセス権等を保障するものであり、内閣総理大臣に情報と権力を集中させることになる。

3 「国家情報局」格上げの危険性
 「国家情報会議」の事務局を担うのが「内閣情報調査室」を格上げした「国家情報局」である。

(1)「内閣情報調査室」が行っている情報統制の強化 
 もともと「内閣情報調査室」は、それ⾃⾝も情報機関であると同時に、政府の情報収集‧分析体制の要としての役割を担ってきた。また「内閣情報調査室」は、マスコミや各界知識⼈などに対する“付け届け”、与野党の国会対策のためなどに使われてきた内閣官房報償費(機密費)の情報収集経費を運⽤しており、官邸の意向を受け各界要⼈‧マスコミに影響⼯作を⾏なってきたとされている。さらには秘密保護法の運⽤も担ってきた機関である。秘密保護法は“何が秘密か”もわからないままいきなり処罰されたり、政府が都合の悪い情報を秘密に指定する危険性もあるとして、強く批判されてきたものである。実際に「内閣情報調査室」が守ってきたのは、時の政権の権⼒にほかならない。これを「国家情報局」に格上げすることは、政権による情報の統制や世論操作などが⼀層強まるおそれがある。

(2)行政組織法であることの問題点
 高市首相は「本法案は行政機関相互の関係を律するものであり、国民の権利義務に直接関わるような権限の強化等を行うものではない」と答弁している。たしかに、国家情報会議設置法案と内閣法改定案は行政組織法である(1条)。行政組織法は、国家や地方公共団体の組織、任務、所掌事務を定めるものである。それに対して、国民の権利義務を変動する活動をする場合には、その組織がどんな時にどのように活動するかは、要件と効果を定めた行政作用法が不可欠だとされている。
 本法案は、直接、国家情報局に市民の権利を制約する具体的な権限を与えるものにはなっていない。だが、国家情報局には「重要情報活動及び外国情報活動への対処」として、予防的にかつ秘密裏に広範に情報を集める任務・所掌事務が与えられている(内閣法16条の2)。それにもかかわらず、どんな時にどんな諜報活動をどのように行うのか、プライバシー等の個人情報をどこまで収集できるのか、全く規定されていない点が問題である。衆議院本会議における後藤祐一議員の質問に対しても説明はなされていない。
 実際、後述の大垣警察署事件では、組織法である警察法の第2条1項で「公共の安全と秩序の維持」を警察の責務の一つと定めていることから違法な住民監視活動をおこなっていたことが問題とされた。そして、敗訴判決を受けた後も国は反省の弁は述べず、再発防止対策も打ち出してはいない。これに倣えば、国家情報局も法案を根拠に、作用法的根拠がなくても、国民監視の諜報活動はできることになる。

(3)「総合調整」への格上げ
 同法案は、「国家情報局」に各情報機関の有する情報を総合して調整する事務を所掌させるものである。
 内閣法改定案16条の2第2項1号で、内閣官房が所掌する以下の内閣法12条2項2号~6号に掲げる事務のうち国家情報会議設置法2条及び特定秘密保護法に関する事務を「国家情報局」に所掌させている。
  二 内閣の重要政策に関する基本的な方針に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務
  三 閣議に係る重要事項に関する企画及び立案並びに総合調整に関する事務
  四 行政各部の施策の統一を図るために必要となる企画及び立案並びに総合調整に関する事務
  五 前三号に掲げるもののほか、行政各部の施策に関するその統一保持上必要な企画及び立案並びに総合調整に関する事務
  六 内閣の重要政策に関する情報の収集調査に関する事務
 日本の情報機関(インテリジェンス機関)としては「内閣情報調査室」のほか、内閣府土地規制法事務局、防衛省情報本部、自衛隊情報保全隊、警察庁警備局、各道府県警・警視庁の警備局・公安部、公安調査庁などがある。「内閣情報調査室」は、自ら行う諜報活動などに加え、これら外務省、防衛省、警察、公安調査庁などの情報機関の「連絡調整」を役割としてきた。これが国家情報局では「総合調整」に変えられている。これまでの連絡調整に代えて、政府全体を俯瞰し司令塔として各省庁の情報活動について戦略的な総合調整を実施することになる。
 この点については、各情報機関はそれぞれの組織の目的にしたがって情報を収集している建前だが、本法により情報の総合整理が図られるようになると、各情報機関が有する情報が統合され、個人の全体的な人間像が国家により把握されることになる。情報機関による違法な人権侵害行為は、後述のようにこれまで幾度も明らかになってきたが、同法により、違法な情報の収集や利用によって個人の人権が侵害される危険性が高まる。
 本年4月10日の衆院内閣委員会で、中道改革連合の長妻昭議員が、同法の制定によってどのような懸念があるかを質問した。しかし、政府は、答えをはぐらかし、誠実に答えなかった。また、木原稔官房長官は「既存の個人情報保護法等に則って適正に行われる」と答弁したのであり、同法の危険性を理解しない態度を示した。

(4)人権侵害の一層の拡大のおそれ
 警察や⾃衛隊など各情報機関は、その調査の過程で市民のプライバシー権(憲法13条)、思想・良心の自由(憲法19条)、表現の自由・知る権利(憲法21条)などの侵害といったさまざまな問題を引き起こしてきた。
 例えば⼤川原化⼯機事件(「経済安全保障分野における情報保全強化」を掲げる政権に忖度した公安警察によって、冤罪による起訴‧逮捕がなされ、長期勾留の結果一人が死亡した事案)、⼤垣警察市⺠監視事件(大垣警察が市⺠運動を監視し、その個⼈情報を電⼒会社へと提供した事案)、⾃衛隊情報保全隊市⺠監視事件(自衛隊の情報保全隊がイラク戦争時に⾃衛隊の派遣に反対する市⺠運動を幅広く監視していることが明らかとなった事案)、緒⽅靖夫宅電話盗聴事件(公安警察が⽇本共産党の緒⽅靖夫国際部⻑(当時)宅の電話を盗聴していた事案)、国公法堀越事件(公安警察が社会保険庁職員の堀越氏の行動を日常的に尾行して国家公務員法違反で逮捕・起訴したが無罪となった事案)などがあり、枚挙にいとまがない。
 ⼤垣警察市⺠監視事件で、名古屋高裁令和6年9月13日判決は、公安警察による市民団体に対する調査をプライバシー侵害として損害賠償を命じた。岐阜県警は、自らの提案により開催された風力発電事業者との会合の中で、反対運動について、「『大々的な市民運動へと展開すると御社(シーテック社)の事業も進まないことになりかね』ず、そのようなことは『大垣警察署としても回避したい行為』である」などと述べていた。その後、岐阜県警が、風力発電事業者に対し、反対運動を担う市民運動家が法律事務所に相談に行ったなどの情報を提供した事実まで判決で認定されており、市民運動家の動静を調査していたことがわかっている。この判決は、公権力が、本人の知らないまま、特定の個人に関する個人情報を多数収集して集積し、分析し、保有するなどすれば、当該個人の実際の人間像(人物像)とは異なる人間像がその中で形成され、独り歩きして、部分的情報によって、当該個人に関する虚像が形成され、そのような予断に基づく意思決定がされるおそれがある、誤った個人情報に基づいて誤認逮捕などが起こりうる、としている。
 4月16日の参考人質疑で、日弁連の齋藤裕弁護士は、同事件について、警察は判決後も市民運動監視自体をやめるとは言っておらず、情報を削除したかも全く検証できない状況だと指摘した。
 自衛隊情報保全隊事件についても、仙台高裁平成28年2月2日判決(判例時報2293号18頁)が、市民による「医療費負担増の凍結・見直し」、「04国民春闘」、「年金改案反対」、「原水爆禁止の会」、「右翼による北方領土の日の集会への参加の呼びかけ」、「年金改悪反対」、「消費税増税反対」に関する各街宣活動等や、「小林多喜二展」、「核兵器廃絶を求める署名活動」に関する情報収集を行っていたことを認定し、プライバシー侵害があったと認定している。
 前記参考人質疑で、齋藤裕弁護士は、国は賠償金を払ったが具体的なプライバシー侵害対策を取ったかについては一切答えず、反省が見られないと指摘した。
 また、能動的サイバー防御法中のネット監視法は、サイバー攻撃防止のために広範な通信情報を取得できることを定めた法である。政府は、同意なくして収集対象となるのは海外通信に限られ、国内で完結する通信は対象としていないと説明していた。しかし、基幹インフラ事業者や一般の通信事業者との協定に基づく通信情報の取得には、何の限定もない。また、法案の定義による内外通信はデータ量にすると6.8%であるとされているが、その30%までは政府が取得できるとされている(2025年5月15日参院内閣委員会石川大我議員質問)。   これらのサイバー攻撃の防止のためとして収集された情報について、国家情報局は利用するのか否か、利用するとしてその手続がどのようになるのか、何ら明らかにしていない。
 そのもとで、上記の通り、各情報機関は、時の政府の意向に沿うように、反戦‧平和を求める市⺠の活動を危険視し、排除しようとしてきた。これがいっそう拡⼤する恐れがある。

4 国家情報会議設置法の狙い
(1)日本はスパイ天国ではない=立法の基礎となる事実がない
 政府は、G7の中で情報局を持たないのは日本だけであり、日本は情報局がないためにスパイ天国となっており、これを改善しインテリジェンス機能の強化をするために国家情報局の設立が求められているという。しかし、現状の情報機関がとらえられないスパイ事例としてどのようなものがあるのかという、具体的な立法事実(立法の基礎となりそれを支える事実)は示されていない。
 山本太郎議員の質問主意書に対する石破茂内閣総理大臣(当時)の答弁書(内閣参質218第8号(令和7年8月15日閣議決定))では「政府としては、外国情報機関により我が国に対する情報収集活動が行われているとの認識の下、カウンターインテリジェンスに関する機能の強化は重要と認識しており、情報収集・分析体制の充実強化、違法行為の取締りの徹底等に取り組んでいるところである。そのため、御指摘のように『各国の諜報活動が非常にしやすいスパイ天国であり、スパイ活動は事実上野放しで抑止力が全くない国家である』とは考えていない。」と答弁している。
 さらに、防衛省が2025年1月に特定秘密漏えい事案等に係る再発防止策に関する有識者会議(第1回会議)に提出した資料に、「防衛省におけるこれまでの情報保全事案」が紹介されているが、外国のスパイ活動による情報漏えい事案は一つも取り上げられていない。
 このような状況のもとで、政府は、国家情報会議と国家情報局を設置することの必要性を明らかにできていない。

(2)スパイ防止関連法制の一環として人権侵害をもたらす 
 政府は、国家情報会議設置法に続いて、外国代理人登録法、スパイ防止法、対外情報庁設置法などの制定を狙っている。
 ⾃⺠‧維新の連⽴政権合意書(25年10⽉)では、「安全保障領域における政策部⾨および情報部⾨を同列とするため」、2026年通常国会で現⾏組織の格上げをすることを盛り込んだ。その具体化が今回の国家情報局設置法案である。さらに、連立政権合意書では「2027年度末までに対外情報庁の創設」「スパイ防⽌関連法制について速やかに法案を策定し成⽴させる」としている。今後「スパイ防⽌法」や「対外情報庁」などの具体化を図ろうとしているのである。
 すなわち、第2弾として、外国通報目的の秘密漏洩を死刑、無期拘禁などの厳罰に処す「スパイ防⽌法」案と、外国代理人規制法案ないしは外国勢力活動透明化法案という名で、日本市民が外国の人々と政治活動だけでなく経済・文化活動を協働する行為をスパイ予備軍として国家情報局への広範な登録を義務付ける法案が提案される危険がある。このような制度は、アメリカ、イギリス、ロシア、フランスなど世界各国で制定されているが、ロシアの法は、政府の見解と異なる見解を公表するNGO活動を封殺するものとしてヨーロッパ人権裁判所から表現の自由などを侵害するものとの判決を受けている。米・英・仏の制度についても、強い弊害があり、野党や多くのNGOはこの制度に反対している。
 さらに第3弾として、対外情報庁法案や「インテリジェンス関係者保護法案」が予定されている。設立がねらわれている対外情報庁では、アメリカのCIA、イギリスのMI6のように、日本でスパイを養成し世界各国に派遣してスパイ活動をさせることがねらわれている。そして、その活動で身分偽装をおこなう場合に各種公的書類の偽造などの犯罪行為が伴うことが想定されるが、それを合法化しようというのが「インテリジェンス関係者保護法案」である。
 ⾼市⾸相は2021年の⾃⺠党総裁選当時から「インテリジェンス機関の体制強化」を公約に掲げ、2026年の衆院選でも「国論を⼆分するような⼤胆な政策」の⼀つとして挙げるほど重要視している。
 しかし、これらの法制が導入されれば、国家情報会議設置法と一体となって、市民や団体の活動に対する監視が行われ、表現の自由や結社の自由に対する重大な制約をもたらすことになる 。

(3)安全保障戦略下の⽇⽶情報⼀体化
 ⾼市⾸相は情報収集‧分析機能強化の必要性について、今国会の施政⽅針演説で「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境」にあることを挙げた。本法案2条にも「重要情報活動(安全保障の確保、)」と規定されている。そのことからも、同法案が日米安全保障戦略に基づくものであると言える。この10年ほど、⽇⽶同盟のもとで、両国の情報⼀体化が着実に進められてきた。そうした中、⽶国の要請を受けて秘密保護法や経済秘密保護法、能動的サイバー防御法など情報の共有とその前提である情報保全を強化する⽴法が繰り返されてきた。さらに「国家安全保障戦略」(2022年12⽉)には、「⽶国との安全保障⾯における協⼒の深化」として、共同の情報収集等の活動強化や、統合防空ミサイル防衛(IAMD)能⼒の強化などが明記されている。これらの法案によるインテリジェンス体制強化は、アメリカの要求に従って、敵基地攻撃を可能とする長射程ミサイルの運用を行うためのものであり、戦争する国づくりと一体の動きであり、アメリカが行う無法な戦争に日本が付き従うことになる危険がある。

5 情報機関に対する独立した監視組織の設置こそが必要
 国家による情報収集については、現状、個人情報を安全かつ適正に管理するための何らの規制もなく、取得、保有及び利用について濫用防止のための何らの制度的保障もない(前述の大垣警察市民監視事件名古屋高裁判決参照)。
 「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(ツワネ原則。南アフリカツワネにて最終採択(2013年6月12日発表))は、70か国以上の500人を超える専門家との協議を経て、22の組織と学術センターによって作成されたものであるが、その原則31において、「安全保障部門の諸機関について、その運用、規則、政策、財政、業務管理を含めて監視するための監視組織を未設置の国は、それを設置すべきである。この監視組織は、制度的にも、運用上も、また財政的にも監視対象の機関から独立しているべきである。」と定め、情報機関に対する独立した監視組織の設置を求めている。例えば、ドイツの連邦データ保護コミッショナーは、独自の人事権、予算を持ちつつ、憲法擁護庁、軍事諜報局、連邦情報局という安全保障部門の運用(テロ対策データベース等)等をチェックしている。
 このような、第三者機関の設置こそが必要である。それと真逆に、情報機関の権限を一層強化し国家情報会議と国家情報局を設置する本法案は、情報機関による人権侵害事件を数多く担当してきた自由法曹団として、到底容認できない。

6 まとめ
 日本がアメリカとともに戦争を遂行するには、戦争を容認する雰囲気づくりを進め、戦争に反対するものを抑え込む必要がある。そのために国家が行う諜報活動ですべての国民を監視するという体制を強化することが、本法案の狙いである。本法案は、「市⺠監視‧⼈権侵害を拡⼤する」ものであり「戦争する国づくり」を推進するものであって、断じて許されない。
 これまで述べてきたように、国家情報局と対外情報庁は、戦争を遂行するための情報戦を行う機関であり、憲法9条によって国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄した日本には必要がない。だからこそ戦後80年にわたって、日本では情報局は設置されなかったのである。
 自由法曹団は、国家情報会議設置法案に強く反対するとともに、基本的人権を脅かす一切の監視体制の拡充に抗議し、同法案を徹底審議のうえ廃案とすることを求めるものである。

以上

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