100周年・東京総会『日本政府に対し辺野古新基地建設の断念と普天間基地の即時無条件撤去を求める決議』

カテゴリ:決議,米軍・自衛隊

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日本政府に対し辺野古新基地建設の断念と普天間基地の即時無条件撤去を求める決議

 

 2014年11月に実施された沖縄県知事選挙で「あらゆる手法を駆使して、辺野古に新基地はつくらせない。」を掲げた翁長雄志氏が当選して以来、沖縄県民の辺野古新基地建設反対の意思は、翁長知事の逝去に伴い実施された2018年9月の沖縄県知事選挙での玉城デニー氏の圧倒的大差による勝利、2019年2月に実施された辺野古新基地建設の是非を問う沖縄県民投票での投票総数の7割以上が「反対」票を投じたこと、2019年4月21日の衆議院沖縄3区補選での「オール沖縄」の支援を受けた屋良朝博氏の勝利、2021年7月21日の参議院選挙における「オール沖縄」の支援を受けた高良鉄美氏の勝利、さらに、2020年6月7日に実施された沖縄県議選においても辺野古新基地建設反対を掲げる候補が過半数を占める結果によって明確に示されてきた。

 にもかかわらず、日本政府は、沖縄県民が示し続けてきた民意を無視して、2017年4月25日、辺野古先の埋め立て海域の外周護岸工事を開始し、2018年12月14日には土砂投入を強行した。しかしながら、2021年3月末までの土砂投入量は計画全体で必要とされる2100万㎥の約5%にとどまっている。
 また、「高水温期や台風襲来の際には実施しない」という条件付きで許可されていた大浦湾のサンゴの移植について、沖縄防衛局は、高水温期である2021年8月にサンゴの採捕を強行したため、沖縄県知事は、条件不遵守を理由として許可を撤回した。これに対し、沖縄防衛局は、許可の撤回を不服とする審査請求を行い、これを受けた農水大臣は撤回の効力の執行停止を決めている。
 こうした日本政府を挙げての、埋立てを既成事実化し、沖縄県知事の権限行使を妨げる暴挙は、辺野古新基地建設に反対する沖縄県民を諦めさせることを狙ったものであろうが、沖縄の民意や怒りは強まることはあっても揺らいでいない。

 沖縄防衛局は、2019年12月、未だ土砂投入がはじめられていない大浦湾側の工区に軟弱地盤の改良に必要な砂杭の数は76,699本、使用する砂の量は650万㎥に達し、その工費は9300億円、工期は10年に及ぶことを公表した。この軟弱地盤は最も深いところで水深90mに達し、そのような水深の地盤改良は、世界的にも例が無く、専門家から技術的におよそ不可能と指摘されている。
 そして、軟弱地盤の埋め立てについては、護岸の構造や工法の変更が必要となり、沖縄防衛局は、2020年4月21日、沖縄県知事に対し、埋立承認処分変更承認申請を行った。これまでの玉城デニー知事の対応からすれば、新基地建設阻止を求める沖縄県民の民意に反する変更承認申請を不承認とすることが見込まれる。
 一方で、沖縄防衛局は、2020年4月、軟弱地盤の改良工事のために大量の土砂を県内で調達する必要に迫られ、土砂採取予定地に沖縄本島南部の糸満市八重瀬町などを加えた。いうまでもなく、沖縄戦の激戦地だった本島南部では、今なお戦没者の遺骨が見つかる地域であり、遺骨が混入した土砂を基地建設に使用することは、人道上、許されるものではない。
 このように、日本政府の民意を無視し、地方公共団体の権限を踏みにじる強権的な姿勢とは裏腹に、辺野古新基地建設の計画は技術的にも法的にも行き詰まっている。

 辺野古新基地は、日米軍事同盟・在日米軍の機能を大幅に強化し、周辺諸国に新たな軍事的緊張をもたらし、日本と東アジアの平和を脅かすものである。ひとたび基地が作られてしまうと、沖縄県民に永続的な米軍基地による負担・被害をもたらすものであり、絶対に許されない。
 日本政府は、「沖縄の負担軽減」などと称して辺野古新基地建設が普天間基地の撤去の唯一の解決手段である旨の説明をしているが、それは全くの偽りである。繰り返し示された沖縄県民の意思に反して新基地建設を強行することは、それ自体民主主義を否定し、地方自治を侵害するものにほかならない。
 基地のない平和な沖縄を実現するために必要なのは、普天間基地の即時無条件撤去と辺野古新基地建設の中止である。
 1996年のSACO合意から今日まで辺野古新基地建設を阻止し、工事計画を技術的にも法的にも困難な状況に至らしめたのは、基地建設に反対する沖縄県民の粘り強いたたかいの成果にほかならない。
 自由法曹団は、日米軍事同盟に反対し安保条約破棄を求める立場から、沖縄県民のたたかいに敬意を表し、ともにたたかうことを表明するとともに、日米両政府に対して辺野古新基地建設を直ちに断念し、普天間基地を即時無条件撤去するよう強く求める。

 

2021年10月23日

自由法曹団創立100周年・東京総会

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