2023年10月23日、社会保障切り捨て・防衛費突出の政治路線からの脱却を求めるとともに、 貧困と格差を是正し誰もが安心して暮らすことのできる社会づくりのために全力で奮闘する決議

カテゴリ:決議,貧困・社会保障

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社会保障切り捨て・防衛費突出の政治路線からの脱却を求めるとともに、
貧困と格差を是正し誰もが安心して暮らすことのできる社会づくりのために全力で奮闘する決議

 

1 2023年5月8日、政府は、政府は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザ等と同じ5類に変更した。これにより、検査や治療に関して医療費が全額公費負担ではなく、自己負担が発生することとなった。また、ワクチンの接種については、2024年3月31日までは無料接種を継続するものの、同日以降は自己負担が発生することになる。
 当然のことながら、新型コロナウイルス感染症の法律上の扱いが変わったからといって、感染症の危険性や感染力が変わるわけではない。5類移行後である2023年6月末には、沖縄県内において新型コロナウイルス感染症の流行が拡大し、県内の新型コロナ専用の病棟がほぼ満床になったことが報じられた。全国的にみても、8月27日時点で、1週間における1つの医療機関当たりの平均の患者数が19.07人とされており、2022年12月頃の水準と同レベルになった。1つの医療機関あたりの平均数については、5類移行後、感染者が必ずしも届け出や医療機関の受診を要しないこととなったため、実際の感染者数は当該平均患者数よりも大幅に多いと思われる。
 このような中で、検査や治療に自己負担が生じることになれば、生活困窮者や低賃金での就労を余儀なくされている労働者には治療費の負担がのしかかることになる。

2 さらに、過剰な円安誘導やロシアのウクライナ侵攻を契機とする物価高が市民の暮らしを脅かしている。
 総務省の発表によれば、2023年8月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除き、前年同月比3.1%上昇した。この前年同月比の状況は、2023年2月からほぼ横ばいであり、物価の高騰が半年以上継続していることが示されている。2023年8月の生鮮食品を除く食料については前年同月比で9.2%上昇し、公共サービス以外の一般サービスは2.5%上昇している。一般サービス消費者物価指数前年同月比の上昇幅は、消費税増税の影響があった1997年10月と並ぶほどのものであり、25年10カ月ぶりの上昇率となっている。
 新型コロナウイルス感染症の5類移行後も、国の支援策の終了、失業の長期化などにより、生活に困窮する人はなおも多く、物価急騰や特例貸付の償還開始等が追い打ちをかけており、深刻な状況が続いている。

3 このように、市民の暮らしが深刻な状況にあるにもかかわらず、岸田政権は、2022年12月に閣議決定されたいわゆる安保三文書に基づき、2023年度からの5年間で防衛力整備のために約43兆円を支出すること及び2027年度に防衛費をGDP比2%にするという方針を打ち出している。安保三文書の方針に基づき、今後、防衛費は現在のGDP比0.96%から倍増されることになるのであり、物価上昇や医療費の負担に苦しむ市民に対してさらに増税や社会保障費の削減といった負担がのしかかることとなるのは目に見えている。

4 いま、求められているのは、国民生活を犠牲にした「軍備」増強のための予算編成ではなく、異常な防衛費の突出を見直すとともに、日本の社会保障や雇用環境を破壊した新自由主義的な政策を反省したうえで、社会保障の抜本的な拡充、人口減少・少子高齢化対策、教育予算の増強等国民生活中心の政治に転換し、誰もが安心して生活のできる社会を構築することである。
 自由法曹団は、あらためて、自公政権による国民の命と生活を軽視する政治から脱却し、国民生活を立て直すとともに、憲法25条の理念が真に実現される社会を構築するために、なおいっそう奮闘することを決議する。

 

  2023年10月23日

         自由法曹団2023年大阪総会

 

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