2021年10月14日付、「市民と野党の共闘による政権交代に向けて、全力で取り組もう」(声明)を発表しました

カテゴリ:声明,憲法・平和,明文改憲

市民と野党の共闘による政権交代に向けて、全力で取り組もう

2021年10月14日

自  由  法  曹  団
団長 吉  田  健  一

 

 本日、衆議院が解散され、1019日公示、1031日投開票で衆議院総選挙が施行される運びとなった。
 今回の総選挙では、自公政権の下で約9年間にわたって行われてきた憲法の理念に反する政治から新しい政治へと転換し、日本に民主主義・立憲主義・平和主義を回復できるかどうかが問われている。

 

 安倍晋三元首相は20208月、菅義偉前首相は20219月、それぞれ辞意を表明した。自公政権は、コロナ禍にもかかわらず国民の命と生活を軽視して党利党略を優先させた結果、政権運営に行き詰まり退陣へと追い込まれたのである。

 2021104日、新たに岸田文雄自民党総裁が首相に就任したが、岸田首相は、日本学術会議の会員候補者6名の任命を行わず、森友学園や加計学園、桜を見る会の問題についても再調査を行わない姿勢を示すなど安倍政権・菅政権の下で起こった数々の政治の私物化について疑惑の解明を放棄する姿勢を明らかにしている。

 また、岸田首相自身、敵基地攻撃能力の保有を「有力な選択肢」と述べ、沖縄の辺野古新基地建設は推進する一方で日米地位協定の改定には消極的な考えを示すなど、安倍政権・菅政権の「戦争する国」づくりの方針を継承している。

 さらに、岸田首相は「新しい資本主義」の実現を掲げるが、具体的な内容を示さないばかりか、就任から1週間も経たずに金融所得課税の強化の方針を撤回するなど、格差是正への取り組みを早々に放棄するに至っている。

 このような安倍政権・菅政権の政治姿勢や政策を継承している岸田政権には、自公政権が元凶となっている「民主主義の危機」を乗り越えるような新たな政治への転換を行う能力も資格もないことが明らかとなっている。

 

  市民連合と立憲野党4党(立憲民主党、日本共産党、社会民主党、れいわ新選組)は、202198日、衆議院総選挙における野党共通政策に合意した。

 全20項目の共通政策には、安保法制などの違憲部分の廃止やコロナ禍に乗じた改憲への反対、核兵器禁止条約の批准、辺野古新基地建設の中止、森友・加計問題や桜を見る会疑惑の真相究明、日本学術会議の会員の推薦通りの任命など、団がこれまで求めてきた事項が含まれている。

 また、共通政策には、新型コロナウイルス対策の強化、格差と貧困の是正、再生可能エネルギーへの転換、ジェンダー平等の実現など、今の日本で真に求められている政策も盛り込まれている。

 自由法曹団は、立憲野党が共通政策の実現をめざすことを強く支持する。

 そして、自由法曹団は、立憲野党が総選挙での勝利に向けて、与党側をはじめとするさまざまな分断や妨害に屈することなく、選挙共闘をさらに推し進めることを強く求める。

 

  憲法25条(生存権)や憲法9条(平和主義)、憲法13条(個人の尊重)、憲法14条(平等)などの憲法の理念に基づく政治を実現し、憲法改悪を完全に阻止するには、自公政権からの政権交代が必要不可欠である。

 自由法曹団は、今回の総選挙に際して、市民および立憲野党と共同し、憲法が生きる新たな政治の実現のために全力を尽くす決意である。

 そして、全国の団員が、国政をめぐって政治的論議が活発に交わされるこの機会に、街頭宣伝、集会を通じて平和憲法・国民主権・民主主義の擁護のために旺盛に活動することを心から呼び掛けるものである。

 

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