2023年4月15日、『元団員によるセクシャルハラスメント事案について』を発表しました

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元団員によるセクシャルハラスメント事案について

 

 2023年3月上旬、自由法曹団の団員であった弁護士(2023年1月退団)が、自らの依頼者の女性に性的関係を強要し精神的苦痛を与えたとして、被害女性から民事訴訟が起こされたことが広く報じられた。
 同弁護士が公表したブログの文書によると、同弁護士は、被害者の女性の身体に触れたり、性的関係を迫る言動を続けたり、依頼を受けていた裁判の対応にまで言及して、その女性を追い込み苦しめたとのことである。
 このような行為は、代理人弁護士としての地位を利用し、拒絶が困難な相手方の立場や状況に乗じて、その意に反する性的被害を加える性暴力にほかならず、被害にあわれた女性の人権及び尊厳を深く傷つけるものであって、断じて許すことができない。
 同弁護士が、これまで、自由法曹団の団員としての活動、原発事故被害者の被害救済を求める取り組み、演劇界などにおけるセクハラ撲滅に向けた活動、ハラスメント講習の講師等を行っていたことを考慮すると、その行為は、こうした活動に信頼を寄せていた多くの関係者の信頼を裏切るものであって、同弁護士も認めているとおり、その責任は重大である。
 自由法曹団は、今回の事案について、厳しくこれを批判するとともに、これを教訓として、今後、このような行為が二度と行われることのないよう、ハラスメント防止に向けた体制整備、研修、啓発活動等の取り組みを抜本的に強化することを誓約する。私たちは、今一度、自ら襟を正して、ハラスメントをしない・させないことを確認するとともに、その根絶に向けて全力を尽くすことを表明する。

 

  2023年4月15日

                   自由法曹団 団長 岩 田 研二郎

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