2026年10月30日 「米海兵隊員による女性強盗殺人事件に厳重に抗議し、国連勧告に基づく性暴力・人権侵害の途絶、日米地位協定の抜本改定を求める声明」を発表しました

カテゴリ:声明,憲法・平和,米軍・自衛隊

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米海兵隊員による女性強盗殺人事件に厳重に抗議し、国連勧告に基づく性暴力・人権侵害の途絶、日米地位協定の抜本改定を求める声明

2026年10月30日

自 由 法 曹 団
団長 黒 岩 哲 彦

 2026年10月3日未明、那覇市内のホテルにおいて女性が殺害され金品が奪われるという痛ましい強盗殺人事件が発生し、米海兵隊普天間飛行場所属の海兵隊員が被疑者として緊急逮捕され、同月25日、強盗殺人の罪で起訴された。尊い人命が理不尽に奪われた残忍かつ非道な本件犯罪に対し、強い憤りを表するとともに、理不尽に命を奪われた被害者の方に深く哀悼の意を表し、ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げる。
 1972年の沖縄本土復帰以降、米軍人・軍属等による刑法犯検挙件数は6,000件以上にのぼり、女性に対する深刻な性暴力や凶悪犯罪が後を絶たない。
 2024年10月、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は8年ぶりの対日審査において、在沖米軍関係者による性暴力問題を初めて公式に取り上げ、日本政府に対して実効性のある防止策と被害者保護を求める勧告を発出した。しかし、日本政府および米軍がこの国際機関からの厳重な勧告を誠実に受け止めず、形骸化した「綱紀粛正」や「再発防止」を繰り返すのみで実効性のある手を打ってこなかったことが、今回の最悪の事態を招いたと言わざるを得ない。国際人権基準を無視し、沖縄の女性と住民の尊厳を軽視し続ける政府の姿勢は断じて容認できるものではない。
 米軍人等による事件・事故が絶えない根底には、米軍および米軍人に治外法権的地位を与え、日本の主権を著しく制限している日米地位協定の存在がある。公務外事件であっても身柄拘束や捜査に不当な制限がかかる構造は、適正な捜査や被害者救済の重大な妨げとなってきた。日米地位協定の抜本的改定を行わないまま放置することは、基本的人権の侵害を容認することと同義であり、日本政府の主権の放棄に類した姿勢を強く批難する。
 先の沖縄県知事選を経て誕生した古謝県政は、辺野古新基地建設の容認や自衛隊の南西シフト(強化)を受け入れる姿勢を示し、政府との「協調」を優先させている。これに応じる形で日本政府は、これまで対立を理由に抑制してきた沖縄振興予算を一転して増額・回復させるなど、基地負担と引き換えの「利益誘導」的な姿勢をあらわにしている。
 しかし、どれほど振興予算を積み増そうとも、県民の生命・身体の安全や人権が脅かされる構造が放置される限り、真の平和と経済発展はあり得ない。米軍基地の存在そのものがもたらす人権被害や危険性を直視せず、屈服と「協調」を深める県政・政府の姿勢は、事態をさらに深刻化させるものである。
 自由法曹団は、基本的人権をまもり民主主義をつよめ、平和で独立した民主日本の実現に寄与する弁護士団体として、本件犯罪に関する適正な司法手続が厳格に遵守されることを強く求める。
 同時に、SNS等において被害者やご遺族のプライバシーや尊厳を著しく傷つける真偽不明の情報や中傷が拡散されている事態は、深刻な人権侵害(二次被害)であり断じて許されない。社会全体に対して、被害者・ご遺族の尊厳に配慮した冷静な対応を強く呼びかける。

以上

 

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