2026年1月21日付、「中部電力浜岡原発のデータ不正を受け、あらためて原発ゼロ社会の早期の実現を求める声明」を発表しました

カテゴリ:原発問題,声明

中部電力浜岡原発のデータ不正を受け、
あらためて原発ゼロ社会の早期の実現を求める声明

2026年1月21日

自   由   法   曹   団
団   長  黒 岩 哲 彦

 今般、中部電力・浜岡原発3、4号機の再稼働に向けた原子力規制委員会(以下「規制委員会」という。)の審査で、中部電力が基準地震動を意図的に過小評価する不正行為をしたことが明らかになった。
 基準地震動は、耐震設計の目安として想定する揺れのことであり、原発の安全対策工事の基礎となる極めて重要なものである。
 中部電力は基準地震動を策定する際、計算条件が異なる20の地震波から最も平均に近い1波を「代表波」として選定したと説明していたが、実際には意図的に小さくなるよう1波を選び、それが平均に見えるよう残り19波を操作し、つじつま合わせをしていたという。
 規制委員会は、2022年4月15日、浜岡原発の基準地震動を「おおむね妥当」と判断しており、2025年2月の公益通報制度による情報提供によって今回の不正が発覚した。現在、中部電力・浜岡原発の適合性審査を中断しており、今後の対応について審議するとしている。このような重大な不正が行われた以上、浜岡原発の再稼働は認められるべきではなく、直ちに廃炉とされるべきである。
 そもそもの問題は、国と電力会社による原発推進政策にある。
 2011年3月11日に発生した福島原発事故により、多くの住民が避難を余儀なくされ、生業を奪われ、人間らしい幸福な暮らしを奪われた。そうした被害の痕跡は、現在も各地に色濃く残っている。「福島原発事故被害者に対する『二重の加害』を防ぐため、政府と東京電力によるALPS処理汚染水の海洋投棄に反対し、海洋投棄の即時停止を求める決議(2024年5月27日)」でも指摘のとおり、被害は今も収束していない。
 原発事故は起こりうるものである。そして、ひとたび原発事故が起こると、地域住民を中心に取り返しがつかない深刻かつ甚大な被害が生じるものである。
 今般の中部電力の不正はもちろんのこと、先の原発推進政策への再転換含め、この間の政府・原発事業者の振る舞いは、福島第一原発事故の教訓から何も学ぶことなく、国民の生命、身体、生活の安全を脅かすものである。原発再稼働を許さず、一日も早く原発ゼロ社会を実現することが急務である。
 自由法曹団は、「福島第一原発事故被害の全面救済及び原発ゼロ社会の早期の実現を求める決議(2021年10月23日)」を決議しているところである。関連諸団体と連携を図り、福島第一原発事故の被害に苦しむ人々の全面救済と原発推進政策の転換による早期の原発ゼロ社会の実現に向けて、全力で取り組むことの決意をあらためて確認する。

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