2026年6月25日、「衆議院議員の定数削減法案提出に抗議し廃案を求める声明」を発表しました

カテゴリ:声明,憲法・平和,選挙制度

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衆議院議員の定数削減法案提出に抗議し廃案を求める声明

 

2026年6月25日

自 由 法 曹 団
団長 黒 岩 哲 彦

 自民党と日本維新の会は、2026年6月24日、衆議院の比例定数のみを45削減し、小選挙区はそのままとする衆院議員定数削減法案(以下、「今回法案」という。)を衆議院に提出した。今後、与野党の選挙制度協議会で議論し、1年以内に結論が出なければ、比例区を45、自動的に削減するとされている。
 自民党と日本維新の会は、2025年12月5日にも、衆議院議員の定数削減等に関する法律案(以下、「前回法案」という。)を衆議院に提出していた。前回法案は、現在465である衆議院議員定数の1割の削減を目標として協議会を設置し、1年以内に結論が得られない場合、小選挙区25比例代表20を自動的に削減するというものであったが、2026年1月23日の衆議院解散とともに廃案となった。
 自由法曹団は、2025年12月18日、前回法案に対し、「衆議院議員の定数削減法案の提出に抗議し前回法案の廃案を求める声明」を発し、要旨次のとおり指摘していた。
 議員定数を含め選挙制度は、国民の代表となる議員を選出するための制度であって、議会制民主主義の根幹であるから、幅広く国民の意見を集め、それを踏まえた丁寧な議論の上に与野党の幅広い合意に基づいて決めるべきものである。前回法案は「結論ありき」で自動削減を定めるもので、手続の点でも内容面でも議会制民主主義を否定する甚だ乱暴なものである。
 また、なぜ1割削減なのか、なぜ選挙制度の改革なしに定数削減のみを行うかなど、何ら合理的な理由、立法事実は示されていない。むしろ現在の議員定数は、日本の歴史からみても国際的にみても少ない状況にあり(人口100万人あたりの国会議員数は世界168位の低さである)、定数削減を行う合理的な根拠はない。自民・維新両党は「身を切る改革」を強調するが、そうであれば、企業・団体献金の禁止や政党助成金の廃止・減額を行うべきである。
 前回法案の狙いは、自民党の裏金問題に端を発した企業・団体献金禁止等の「政治とカネ」改革から論点をずらすこと、そして定数を減らして批判的意見が少なくなるようにするところにある。このような不当な目的で定数削減を行い、主権者・国民の声を切り捨てることは民主主義の観点から到底許されない暴挙というべきである。
 このような前回法案の問題は、今回法案にも当てはまるものである。さらに、前回法案では、削減の対象は小選挙区25比例代表20であり、小選挙区と比例区のバランスが一定考慮されていたともいえるが、今回法案は、そうした配慮すらみられない。
 現行の衆院選挙制度は、小選挙区と比例代表で構成され、同制度は1996年衆院選から実施されている。小選挙区は、1選挙区で1人しか当選できず、それ以外の候補の得票は「死票」となり、民意をゆがめることにつながっている。実際、本年2月の衆院選の小選挙区で自民党は36・7%の得票で67・8%もの議席を獲得しており、「死票」は約2735万票にも達している。
 小選挙区にはこうした弊害があることから、比例代表と組み合わせた選挙制度となっている。こうした中、反映する比例定数のみを削減すれば、民意がさらに切り捨てられる。今回法案は、国民主権を蔑ろにするものである。
 自由法曹団は、自民・維新両党の衆議院議員定数削減法案の提出に抗議し、同法案の廃案を求めるものである。

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